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【取材記事】練馬のみどりを守り育てる! つなカレ「ねりまの森維持管理コース」の実習を紹介

2025年12月18日|カテゴリー:ねりまの森サポーターズ応援プロジェクト

地域活動の基礎を学べる区民向け講座「つながるカレッジねりま」。福祉・農・防災・みどりの4つの学習分野から、実践的な知識や地域活動団体の立ち上げノウハウなどを学べるのが特徴です。
今回は、憩いの森(※)などの管理活動に必要な知識と技術の習得を目指す「ねりまの森維持管理コース」の実習の様子をレポートします。

(※)憩いの森…私有地の樹林を区が無料で借り、区民の皆さんが自然と触れ合える場所として使えるようにした場所。一部の森や緑地では、区民団体が樹木の剪定、清掃、森の魅力を発信するイベントなど、みどりを守り育む活動を行っています。

西本村憩いの森(大泉学園町2-23)

きたっぱら憩いの森(谷原3-9)

樹木の特徴から道具の扱いまで、森を守り育てるための基礎を学ぶ

取材をしたのは、令和7年(2025年)11月15日。羽沢けやき憩いの森(羽沢3-30)で行われた「森の樹木の特徴と剪定方法を学ぼう2」の実習日です。

この日の受講生は12名。まずは、座学からスタートしました。講師の碇石(いかりいし)さんと上原さんが、剪定の目的や常緑樹と落葉樹の違い、作業時の注意点などについて講義を行いました。

講師を務めるのは造園のプロ。(一社)練馬環境造園協会の碇石さん(右)と上原さん(左)

続いて全員で実習地を確認し、講師が樹木ごとの特徴や剪定のポイントを解説していきます。
「オオムラサキツツジは花が終わった直後が剪定のタイミングです」など、実際の作業を想定した説明に皆さん熱心に聞き入っていました。
「ツツジは多少失敗しても枯れないので練習に向いていますよ」と、初心者向けのアドバイスも。

2チームに分かれ、いよいよ実習!

実習では、歩行者や車の妨げにならないように、道路に張り出している枝を切る作業を中心に行いました。
講師の指導のもと、1人ずつ順番に剪定作業を体験。「芽のすぐ上で切る」「境界から飛び出た枝を落とす」「人の出入り口は短めに整える」など、花木に負担をかけず、人の利用しやすい形に整えていくためのコツを学びます。

アラカシの剪定ではノコギリの使い方もレクチャー。付け根の膨らみの部分を切らないようにノコギリを当てます。「太い枝を切るときには重みで樹皮が裂けるのを防ぐため、一度短く切ってから整える」といったアドバイスもありました。

高枝切りばさみの扱い方も重要なポイントです。
はさみ方を誤ると枝を落としてしまい危険なため、枝をしっかりつかんだまま下ろす方法を実践的に学びました。チャレンジしたのは柿の収穫! うまく実をつかめると受講生から拍手が起こっていました。

また、ボケやカラタチなどトゲのある枝は剪定後そのままにしておき、うっかり踏むと危険なので、すぐゴミ袋に入れて処理するなど、安全管理の基本もしっかりと教わります。

ダイミョウチクを整理。あっという間にゴミ袋がいっぱいになります。

実習後の森は視界が大きく開け、看板も見やすくなりました。

実習前

実習後

枝が整えられ、きれいな森になりました。見通しもよくなり、防犯面の効果もアップ。

実習が終わったあとは、使用した道具の手入れを行います。
ヤニ取りスプレーをかけ、ブラシで細かなかすを落とし、布で丁寧に拭いてから片付けます。長く安全に活動を続けるためには、こうしたこまめな手入れが欠かせません。

最後に、1日の振り返りとして受講生が感想を述べたあと、講師からは次のような言葉がありました。
「芽の位置や枝の向きを意識して切ることが大切です。今日の剪定で光の入り方も良くなったので、これからよく伸びていくと思います」(碇石さん)
「今日体験してもらった切り方や形づくりは他の花木にも応用が利きます。人が利用する上でどのような形に整えるのが適切か考えながら、まずは切ってみましょう。よほど無茶をしない限り木は枯れません。失敗したら、そこからどう育つかを見て学んでいきましょう」(上原さん)

受講生に受講の感想と活動への思いをインタビュー

受講生の阿部菜穂さんと柴﨑俊男さんにお話を聞きました。

―――受講のきっかけは?

阿部さん「2年ほど前に落ち葉掃きのボランティア活動に参加した際に、知り合った方から『つなカレ』のことを教えてもらい、興味を持ちました。自宅の庭木をよく分からないまま切っていたため、見た目が悪くなったり花が咲かなくなったりした経験があり、正しい剪定を学びたいと思いました。また、令和7年4月から南高松もりファンクラブで活動を始めたこともきっかけのひとつになっています」
柴﨑さん「定年後の楽しみとして、地域活動に参加するようになりました。現在は南高松もりファンクラブとクモリン緑化花の会に所属して、ベテランのメンバーに日々いろいろなことを教えてもらっています。『つなカレ』OBが何人もいるので。私もみんなに負けないよう樹木の知識をしっかり身につけたいと思い、受講を決めました」

―――受講した感想を教えてください。

阿部さん「同年代の人が少なく、最初は心細さもありましたが、回を重ねるうちにみんなで作業する楽しさを感じるようになりました。1人が切って、1人が束ねて…と分担し、声を掛け合いながらの作業は楽しいですね。今日の実習では、伸びてきたから切る、というだけでなく、森を生かし、成長させる意味があることがわかり勉強になりました」

柴﨑さん「実践を通して多くのことを学び、具体的な技術が身につきました。はさみやのこぎりを使う時の刃の当て方や力の入れ方など、ちょっとしたコツを教えてもらうとやはり全然違います。講師のお話が面白くて、楽しみながら学べたのもよかったですね」

―――受講後はどのように活動していきたいですか?

阿部さん「まだ初心者ですが、みどりの大切さを日々感じています。木陰があるだけで夏の過ごしやすさが変わることを実感しているため、みどりを大切にしながら、人が休憩したり立ち寄りたくなる森づくりのお手伝いをしていきたいです」
柴﨑さん「学んだ知識を所属団体で活かしていきたいと思っています。みどりが好きなので、地域の役に立てる範囲で今後も活動を続けていきたいです」

ねりまの森を守り育てるお2人の、これからのご活躍が楽しみです!

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