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【取材記事】「稲荷山憩いの森」カタクリの群生地をご紹介します

2022年3月30日|カテゴリー:区民の森プロジェクト

いよいよカタクリの花のシーズンがやって来ました。練馬区のカタクリといえば、東京23区唯一の約10万株という大規模群生地を誇る「清水山の森(練馬区大泉町1-6)」が有名ですが、隣接する「稲荷山憩いの森(練馬区土支田4-14)」にも群生地があるのをご存知ですか。ぽかぽか陽気の3月14日に様子を見に行ってきました。

「早春の妖精」 カタクリの花

カタクリは「早春の妖精」といわれるユリ科の多年草。種から花が咲くまで7〜8年かかるといわれています。花は、2枚の葉から出る15cmほどの茎に一つ、下向きに咲きます。そんな可憐な姿から「初恋」「さみしさに耐える」という花言葉になっているのでしょう。開花期間は1週間ほど。見頃は、ソメイヨシノとほぼ同時期です。宅地開発などで数がグッと減り、東京都では絶滅が危惧されています。

過去に撮影した稲荷山憩いの森のカタクリの様子

稲荷山憩いの森の群生地のカタクリは、雑木林の斜面に4,000〜5,000株ほどあります。14日の取材時点では、葉が元気よく出始めていたところ。

その葉一枚一枚を丁寧にお手入れしている人がいました。練馬区みどりの活動団体(※)としてボランティアで稲荷山憩いの森のカタクリの保全をしている苗木さんです。

「葉の裏がオレンジ色になっているのは、さび病という病気。今年は去年に比べて病気がだいぶ減りました。花芽も順調に付きはじめています」と苗木さんは話します。

カタクリの葉

(※)練馬区みどりの活動団体登録制度は、みどりを未来へつなぐために、みどりを守り育てる活動をしている団体と、活動への参加を希望する方を結ぶためのものです。詳しくはこちらをご覧ください。

稲荷山憩いの森でカタクリ保全のボランティアをしている苗木さん

カタクリを守るため、群生地一帯はロープに囲まれていて中に入ることはできませんが、花を近くで見ることができるよう群生地を横切る通路が設けられています。

通路よりはみ出しているカタクリの葉のすぐそばには、小枝が挿されていました。
苗木さん「私がやったものではないです。足で踏まれないように、カタクリをこうして気にかけてくれる方がいらっしゃるんです」

苗木さんにとってカタクリの花の魅力は、花の付け根にある桜のような模様。
「一つとして同じ模様がないというくらい違っていて、びっくりするくらい綺麗」なんだとか。カタクリは下向きに花が咲くので、鏡を下に差し込むと模様は見やすいとのこと。小さい手鏡を忘れずに持参したいですね。

「季節を感じることができる」と住民の声

散歩途中の女性は、「カタクリの花は季節を感じることができるので、毎年楽しみにしています」と話してくれました。

「ボランティアの人たちが手入れをしてくれているので、だいぶ増えたんじゃないかな」と話すのは、近所に住む男性。地域の住民に親しまれている様子がうかがえます。

憩いの森の制度は、もともと希少なカタクリの花がある風景を守ろうとの経緯から、「清水山の憩いの森(現在の清水山の森)」を第1号として始まりました。稲荷山憩いの森は、現在区内に45カ所ある「憩いの森」の中で最も規模が大きく、敷地面積は2.2ヘクタール。春のカタクリをはじめ、秋の紅葉も美しく、清水山の森と同様に湧水池もあります。

稲荷山憩いの森の湧水池

今年は、稲荷山憩いの森と清水山の森、ぜひ両方に足を伸ばしてカタクリの花を楽しんでくださいね。

稲荷山公園整備のための寄付を募集中

練馬区は、カタクリの群生地を含む約10ヘクタールの稲荷山公園の整備に向け、白子川をはさんだ自然豊かな景観「武蔵野の面影」を再生する検討を進めています。練馬みどりの葉っぴい基金「区民の森プロジェクト」では、将来の公園づくりに活用するため寄付を募集しています。皆さまのご支援をよろしくお願いします!

そのほかにも、複数のみどりを守り育てるためのコースから選んで寄付をすることができます。くわしくは、こちらをご覧ください。

稲荷山憩いの森

住所:練馬区土支田4-14

清水山の森

住所:練馬区大泉町1-6
カタクリの一般公開は令和4年4月18日(月)まで、9時〜17時

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